4年前に電通の新入社員が不幸な形で亡くなったニュースを見て、当時の彼女の更新していたツイッターを遡って見てみた。
「かわいそうだな」というよりも、”寝れないこと以外”は「これぐらいは普通かな?」と思ってしまった。
あの事件があってから、残業の取り締まりが厳しくなり、どの企業の残業時間の見直しを行った。
結果、当時の自分も当然影響を受けた。
確か、給料が安かったから、「え〜、たくさん残業して稼ぎたかったのに〜」みたいなことを思った気がする。
自分は80時間以上残業したい派の人間でありました。時間で給料をもらっていた当時はね。
あれから4年の月日が流れて、残業時間削減の主犯(?)の電通はどう変わったのか・・・?
電通 違法残業(156時間)是正勧告
今年2019年の9月に、電通が労働基準法に違反していたとしてニュースになっていた。
大手広告代理店電通(東京都港区)が9月、社員に最長で月156時間もの違法な残業をさせ、労働基準法に違反したなどとして、三田労働基準監督署(同)から是正勧告を受けていたことが5日、同社への取材で分かった。
同社によると、2018年度に労使協定(36協定)で定めた時間を超えて社員に違法残業をさせたケースが4件あり、最長で月156時間54分に達していた。また、36協定で定められた残業時間の延長を、事前申請なしに行っていた例も6件あった。いずれも東京本社の営業関連部署で発生したという。同社は「19年度は現時点までに36協定違反は発生していない。引き続き労働環境改革に注力していく」としている。引用元:Yahoo!ニュース
やはり、問題は残業時間である。
まだまだえげつない残業をする社員が電通には多く残っているということ。
ただ気になるのは、どんな環境で、どんな残業をしていたのか?ということ。
残業が厳しい環境と、そうでない環境があるのだ。
仮眠ができるIT企業が増えている
以前の電通の女性社員の事件で、個人的に一番酷だなと思ったのは、”寝れてなかった”こと。
仕事のプレッシャーや男の先輩から云々は、別にどこの職場にだってあるので、そこまで引っ掛からなかった。
寝ることさえできれば、脳内も心もリフレッシュできて、彼女もあそこまで思い詰めて最悪の事態にはならなかったことだろう。
今や職場に仮眠スペースを設けてる企業が増えいるので、適度に寝ることが許されていれば、この月156時間の残業がそこまで酷いとは思えない。
また、外出中もタイムカードを打たなくても良い人であれば、最終的にタイムカードを打つのが遅くて156時間に到達することもあるだろう。
むしろ、タイムカードのルールが曖昧な分、残業代をカサ増しできる。
それは余裕のある会社だと言える。
悪く言えば、給料泥棒を作ってしまうことにもなるが。。
自主的に膨大な残業を好む社員は絶対にいる!
残業代をカサ増しして生活を成り立たせてる人は一定層いるし、単純に仕事が大好きな人も一定層いる。
集中力がえげつなかったり、とてもワクワクする企画でアドレナリンが止まらなかったり、外出から戻ってもやることがたくさんで気づいたら深夜まで仕事をしてしまうなど、遅くまで残業してしまう理由はいくらでもある。
そういう社員に対して80時間で残業を切る宣告をしてしまう方が酷い話である。
「残業=悪」という思想は、良い環境で仕事してる人、仕事が好きな人、固定給が安い人からすると邪魔である。
好きなだけ残業ができるのはすごい会社
世の中、業績が悪くなったらすぐに削るのは人件費である。
人件費が削れない会社は、タイムカードを定時で打たせてからサービス残業をさせる。いわゆるブラック企業である。
好きなだけ会社に残れて、タイムカードも打てて、残業代もキチンと支払えるのは、それだけ会社が儲かっているということ。
もしかしたら、きちんと仕事しないで、おしゃべりばかりしてたり、ゲームばかりしてたりで残業代を稼いでる人だっているかもしれない。
自分の身近にいた残業代泥棒
自分の周囲にも、かつてエゲツない残業代カサ増しの常習犯がいた。
自分が以前に勤めていた下請けの工場での話だ。
もともと役職のある人だったけど、ある仕事のミスで役職を外され、給料も下げられ、たくさん残業しないと住宅ローンを払って生活ができないという人がいた。
日中の仕事をわざと後回しにして残業を残し、さらに仕事が終わっても洗い場でシャワーを浴びて、仕事用に使う古い洗濯機で自分の衣服を洗濯し、タバコ吸って仮眠するなり漫画読みなりしてから、23時頃にタイムカードを切って帰宅するというモンスター社員であった。
残業代泥棒も酷いが、その人の現場は某大手企業と契約した製品を作ってるところだったので、仮にバレて契約が消えるなりしたら長い目で見て100億単位の損失。
さらに訴えられるなりしたら、そのまま会社が潰れる規模の弁償金を払う可能性だってあった。
その人は、ある時にお偉いさんに呼び出しを食らい、降格の処分を受けてた。給料泥棒がバレてさらに下げられて悪循環で色々と残念な人だった。
最終的にその人は60歳を前にして平社員。ボーナスがないと赤字で、仮にボーナスがなくなったら人生終わりだそうだ。
ついでに、嫁さんとは口も聞かず、住宅ローンが終わったら家を出て行くとか、色々複雑そう。(降格ラッシュで愛想尽かされたか)
残業し放題だった頃は「新車買おうかな」なんて余裕ブッこいたことを工場の喫煙所で言って、残業代泥棒を勘ぐってた上司にキッとガンを飛ばされシカトされていた。
そんな風に調子に乗らずに、もっと要領良くジワジワやってれば人生助かったのに。残念。
あのおじさんは今何をしてるのだろうか?
団地で年金暮らしぐらいはできるのかな・・・。